狂犬病の豆知識
狂犬病予防接種
唯一、法的に義務付けられた(狂犬病予防接種)犬の予防接種です。
さまざまな迷信がささやかれておりますが、日本において、
条件を満たしたすべての犬は受けなければなりません。
健康上の理由などで獣医師が接種しない方がよいと判断した場合は
「猶予証明」が発行され、これを届け出ます。
飼い主様に対して狂犬病予防法で義務付けられているのは、次のとおりです。(抜粋)
犬の登録
犬を飼い始めた日(生後90日以内の犬を飼うようになった場合は、
生後90日を経過した日)から30日以内にその犬の登録を申請しなければなりません。
登録後に交付された鑑札をその犬に着けておかなくてはなりません。
登録した内容に変更が生じた場合(転居や、その犬が亡くなってしまった場合など)は、
30日以内に届け出なければなりません。
予防接種
毎年1回受けさせなければなりません。
その犬には、接種後に交付された注射済票を着けておかなければなりません。
「さまざまな迷信」とは、「小型犬は必要ない」とか、
「日本には発生がないので受ける必要はない」などといった誤った認識です。
狂犬病清浄地域は、英国(グレート・ブリテン及び北アイルランドに限る)・
アイルランド・アイスランド・ノルウェー・スウェーデン・台湾・ハワイ・グァム・
フィジー諸島・オーストラリア・ニュージーランド等と非常に少く、
毎年この地球上で、4万人~6万人が亡くなっています。
1956年以降、日本国内での感染はありませんが、
海外で犬に咬まれた日本人が帰国後に発病・死亡した事例が
1970年に1件、と2006年に2件あります。
多くの日本人が渡航する先の諸外国には清浄地域となっていないところも多いことや、
接種率が約40%ほどのしかないような、流行を防ぐために必要といわれている
WHOガイドラインの70%を大きく下回っている状態、
国内への再侵入の危険性が無視できないこと、
狂犬病はすべての温血動物に感染しうる病気であることを考えると、
再侵入が確認されたときにはすでにかなりの感染拡大が起こってしまっている
という事態も容易に想像できます。
韓国では、その予防に関する意識の薄れから狂犬病予防接種の接種率が低下し、
根絶したはずの狂犬病が1993年に再び発生、現在も狂犬病を根絶出来ていません。
日本でもこれ以上の接種率の低下は、再発を招きかねません。
再侵入の機会としては、狂犬病に感染している動物がペットとして
海外から日本へ持ち込まれる可能性、輸入される可能性や、
ロシア船との貿易の多い北海道では不法上陸した犬も確認されています。
また、野生化した温血動物(タヌキやアライグマなど)が増加しており、
一度再侵入を許してしまうとあっという間に感染が拡大するという下地は
既にできあがっているのです。